Fields, Local Reactivity and Sterics
電子状態・立体記述子
反応選択性に用いる三次元場と局所記述子を、定義・入力・解釈・限界の観点から比較します。
1. 記述子を選ぶ基準
記述子は「計算できる量」ではなく、検証したい化学仮説に対応して選びます。立体形状、静電性、軌道相互作用、密度変形、局所反応性は同じ概念ではありません。
| 記述子 | 主な情報 | 注意 |
|---|---|---|
| 電子密度 ρ(r) | 電子分布、分子境界 | 非負。軌道振幅とは異なる |
| ESP | 試験電荷が感じる静電ポテンシャル | 評価面、単位、符号を固定 |
| HOMO / LUMO場 | 軌道の位相と局所振幅 | 軌道対応と全体位相を揃える |
| Fukui関数 / デュアル記述子 | 電子数変化に対する局所応答 | 電荷状態、spin、緩和の定義 |
| RDG・sign(λ2)ρ | 低密度・低勾配領域 | 相互作用エネルギーではない |
| IGMH・IRI | フラグメント間・結合/非結合領域 | フラグメント、等値、グリッド依存 |
| Sterimol・%Vbur | 方向性のある立体占有 | 軸、中心、半径、配座依存 |
2. 電子密度と静電ポテンシャル
電子密度は電子分布、ESPは核と電子が作る静電ポテンシャルです。ESPを比較するときは、同じ電子密度等値面または同じ空間点で評価し、単位とカラーレンジを固定します。
3. 軌道とフロンティア軌道場
HOMO/LUMOの局所振幅は軌道相互作用の候補を示しますが、軌道番号は計算間で入れ替わり得ます。energy、対称性、重なりで対応付け、全体位相を揃えてからfield比較を行います。
4. Fukui関数とデュアル記述子
有限差分密度とフロンティア軌道近似は同じ定義ではありません。N、N+1、N-1系のgeometry、spin、occupation、gridを統一し、符号規約を明記します。
5. NCI・IGMH・IRI
これらは相互作用領域を可視化する実空間関数です。表面の存在・面積・色を相互作用エネルギーへ直接変換せず、遷移状態エネルギー、EDA、置換効果、実験結果と組み合わせます。
6. 機械学習特徴量への変換
- 共通座標系へ分子をalignする。
- 同じ原点・軸・shape・spacingのgridを使う。
- 反応に関係する領域をmaskまたは積分する。
- scaleと符号を保存する。
- PCA・正則化・group validationで高次元性を制御する。
最終確認: 2026年8月4日